なんでそんなに自信家でいられたんだろう
思いを寄せてくる奴がいて あいつもそれに応えてしまえば
これほど嫌な事は無いと言うのに
はじめはこんな奴の事なんか、これっぽっちも気にもとめていなかった。
「あの…もしやクラインさんでいらっしゃいますか?」
呼びとめられたのはアルヴァニスタ城内。
ルーングロムさんに時の剣と言う物の情報を教えてもらったその帰り。
全員が一斉に振り返ると、そこには城内によくいる兵士の鎧に身を包んだ若者が一人。
兵士にしては少し足りないくらいに思える背の低さ、兜の隙間から零れ落ちる灰色の髪、そして頼りなさげなその瞳。
城の警備なんだからゴツイ奴ばっかかと思っていたけど、兵士にも色々いるんだな…。
「アーチェ・クラインはアタシだけど…?」
一歩前にアーチェが進み出る。
聞こえてくる声は少し怪訝で、その背中には皆の視線が集中していた。
「あ…あの、お話が少し。出来れば他の方にはちょっと…。」
おずおずと言葉を並べる目の前の男…。
何の話かは検討がつかなかった。
だけれども、ここでアーチェ一人に話したいことなんてたかが知れていた。
「なんだよ、またお前なんかやらかしたのか?」
「んな訳ないじゃん!」
ギッと振り返りざまに睨まれる。
以前、といっても150年前にだが、こいつはハーフエルフは立ち入り禁止のエルフ自治区に入り死刑になりかけた。
そのエルフ自治区への通行許可証を出してもらったのがこのアルヴァニスタ。
だからもしかしたら自治区からの通達やら何かなのかもしれない…。
150年 人間には時間が開きすぎているがエルフならどうかはよくわからない。
150年ぶりの再開だというルーングロムさんもその月日の感覚は『久しぶり』で、時を越えてやってきたクレスや旦那を苦笑させたくらいなのだから。
「じゃあアーチェ、私達は先に宿のほうに行っているからな。」
「ん、わかった〜。」
そう言い終わるとアーチェは兵士のほうに向き直り、話の続きをし始める。
光のあたる加減なのかはわからなかった、だが兵士の頬が少しだけ染まっているような気がして…まあ気のせいかと思いつつ。
二回目、いや、こいつと顔を会わせるのは何回目なのかわからない。
もしかしたら今までに何回も会っていたかもしれない。
今まで俺の記憶に残っていないだけで。
「あ〜ぁ、つまんないつまんないつまんな〜〜っい!!」
「お前なぁ、それ以外なんか他に言う事は無ェのかよ?」
アルヴァニスタ城を出て海沿いに南へ下る道中、パーティ唯一のハーフエルフは不機嫌だった。
「しょうがないよ、ハーフエルフはユミルの森には入れないんだから。」
「そうだぞ、頼むから大人しく入り口で留守番してるんだ。」
「なるべく早く帰ってきますから…ね?」
いつも人並み以上に騒がしいこいつが大人しくただ待っているというのはひどく退屈に違いない。
そんな事は容易に想像できたのだが、だからといってどうにかできるわけではなく。
アーチェは自分の足元に転がる小石を勢いよく蹴り上げる。
不満に満ちたその表情は口先をひどく尖らせていて『面白くない』と言う言葉を顔で表現したと言えば皆はこぞって手をポン!と打ちつけたに違いない。
その石を蹴っていた足が「あ。」という小さな叫び声とともにピタリと止まる。
間の前にはユミルの森の検問所、そこに立っている徴兵が顔を上げそちらも同じく「あ。」と叫ぶ。
「アーチェさん!!」
そう呼んだ瞬間パっと明るくなる兵士の顔…たしかどこかで…えぇと…?
…そうだ!!思い出した!あの自信無さげなあの瞳、アルヴァニスタ城でアーチェを呼び止めたあの男。
「うわぁ〜!ここで会うなんて思ってなかった〜!ビックリするじゃんホント!」
さっきまで列の後ろで、なるべく早く森に着かないように少しだけ遅く足を引きずってきたアーチェの足が今度は軽く土を蹴って走り行く。
「ココでの仕事は交代制なんですよ、だから今は僕が。いつもは他の人が居たりもするんですよ。」
「へェ〜、そうなんだ?ずっと同じ人がやってると思ってた!」
「ははっ、そんなまさか。もしそうでもして不正が起こったりしたら大変ですからね。」
さっきまでつまらないとばかり喋っていた口先が、今度は楽しそうに笑っていたのが気に入らない。
「じゃあアーチェ、私達は行くからここでちゃんと待っているんだぞ。」
「あ、うん、いってらしゃい!」
首だけをこちらに向けてさっきまでとは違い笑顔で送り出すアーチェに…かどうかはわからない、だが色々と引っかかって、いま俺の顔を見た人に『面白くない』という事を顔で表現したんです、と言えばやっぱり皆は手をポン!と叩いただろう。
あいつとの違いといえば、こっちは口先がへの字に曲がっている所くらい。
サクサクとそして場所によりけり滑りやすくなっている道ならぬ道を踏みしめ歩く。
きっとここはこうやって降り積もって土にみんなかえってゆくのだろう、足元に幾重にも積み重なった木の葉を踏みしめているとそう思えてくるから不思議になる。
見上げると木々の隙間から光がこぼれ、その光の先では新たな命が芽吹いている…人の手が入っていない本来の自然の姿なのだろう。
なんだか空気も澄んでいて胸一杯に息を吸い込むとひどく気分が良い。
すっかりさっきの事なんか忘れてしまったかのように。
「アーチェさん大丈夫でしょうか…?」
幾分か道を進んだところでミントがそう呟いた。
一人いるだけで人の1.5倍…いや、それ以上に騒がしい奴がいないとなんとなく変な感じがするのだろうか。
いつものミントの声量がこの森の中では大きく聞こえる。
「そうだなあ…あの場所はあまり強いモンスターが出る事も無いし…。あ、それに兵士の人もいるからね!退屈してこっちに来ちゃうなんて事は無いと思うよ?」
俺もクレスの意見に賛成だった。
特にモンスターよりも、アーチェがこのハーフエルフ立ち入り禁止の森に入って来てしまう事、それのほうがよっぽど心配なのだ、前科者であるが故、それがアーチェである故に。
「しかしチェスター?お前さんは心配じゃないのか?」
いきなりのクラースの質問にイマイチ俺は理解がついていかない。
だから「何が?」という返事になるのは仕方の無い事…だと思うのだが、どうやら相手はそうは問屋が下ろさないようで…。
「あぁもう!じれったいなぁ!!お前はアーチェとあの兵士が二人っきりになるのが心配にならんのかと言っとるんだ!」
「何で?」
目の前で大きく息を吐ききったクラースが、こりゃダメだと言わんばかりに額に手を当て首を大きく振った。
「そんなに余裕こいてるとサッと横からかっさらわれても知らんぞ?」
その言葉に ゴホッ!!と肺の変な所に息を吸い込んでしまって大きく一つ咳き込む。
そのせいだ、そのせいで顔が赤くなってゆく。
「な、何言ってんだよ旦那。つーか第一あんな色気の無ぇのに気がある奴なんてそうそうお目にかかれたもんじゃねぇんじゃねぇの?」
「…おいおい、そんな事言ってると本当に誰かに持っていかれてしまうぞ?…ま、別に大丈夫と言うなら特に私は何も言わんがな。」
と、ひどく楽しそうに言ってのけた。
大丈夫…?
大丈夫ねぇ…。
まぁ、別に問題ないと思う…。
あいつは…あの通りバカだし、料理だって何だってからきしだし、胸も無けりゃ色気も無い…おまけにひどいウワバミで、酒癖だって相当悪い。
それにあの兵士にしたって背も俺のほうが断然上だ、オドオドしてる点から見ても負けたなんて思えはしない…それに腕っ節にしたって毎晩の特訓のせいで自信はある。
…はずなのになんだこの焦燥感は…。
「まぁもしかしたら今ごろ二人きりの時間を楽しんでるやもしれんな…まぁその方がアーチェの足止めとしては願ったり叶ったりだが。」
ニヤリとこちらを盗み見る旦那に、こっちもニヤリと笑って応える。
心中穏やかでないと言うのはこの事だと思いながらも。
気のせいじゃない、さっきまで見ていたこの景色が同じように見れなくっていたのは。
日に透けて見える葉の重なりや、鳥のさえずり、あたりを走り回るブッシュベイビー…。
何もかもが変わってしまったかのような気さえする。
…いや違う。
変わったのは俺のほうだ。
だからこんなにも落ち着かない。
さっきクラースに言われた言葉が影を作り、俺の心をよどませる。
今ごろ…きっと…二人きりで…。
そう思うと頭がおかしくなりそうだった。
そう言えばあの二人、なんだか知り合いのようだった…しかし男のほうは人間…ここ未来で生きる人間に間違いない、昔からの知り合いと言うわけではないだろう…じゃあ、あの二人の関係は一体なんだというのだろう…。
それを言えば、あのアルヴァニスタ城で『アーチェだけを』呼びとめた理由…ほかの奴に席を外させた理由…二人っきりになって話したかった理由…。
あの時はそんな事考えてもいなかった、だからちっとも何も思わなかった。
でも今思えば、あのときから二人は始まったのではないのか?
だからこそ、アーチェを見つけたときのあの男の顔…だからこそ、ユミルの森に行き渋っていたアーチェが皆の元を駆けていった…?
そんな事は考えたくなかった、だが考えないフリをする事なんか到底出来ようはずもない。
否定したい気持ちとは裏腹に、そう思えばみんな画点のいく事ばかりだった…。
アーチェのあの笑顔も、見間違いかと思ったあの男の上気した頬も、「クラインさん」から「アーチェさん」への呼び名の変化も何もかも。
「あ!!帰って来た!!」
まだ遠くの道を歩いてきている俺達にも聞こえるくらいの大きな声を出して水面を蹴っていた影が勢いよく立ちあがる。
「お〜い!皆ぁ〜おっ帰りィ〜♪」
両手を大きく振りながら笑顔で皆を迎えるアーチェ。
いつもだったら苦笑する位のリアクション、まるで自分と同い年とは思えない。
でも今は、なんとなくその顔を直視する事ができない自分がそこにいた。
「うん。ただいま、アーチェ。」
「ごめんなさい、お待たせしてしまって。遅かったですか?」
「ううん、そんな事無いよ〜?」
「おや?アーチェ、さっきの人はいないのか?」
そう、さっきから俺も見まわしていた、だがそんな姿は影も形も見つからない。
「ああ、うん。なんか交代の時間が来たとかでそこの人と変わってったよ?」
ホラ、と指を指した先、検問所にはまた別の兵士が立っていた。
あの男とアーチェが話している所なんて見たくなかった、だからそいつが帰ってしまったことは俺を心底ホッとさせた。
「チェスターもお帰り。どしたの?なんか変だよ?」
さっきから目をあわそうともしないでっずっと黙っているのが変なのだろう、いつもコイツとは普段から寄ると触ると喧嘩ばかりなのだから…。
だが目の前に現れた真っ赤な瞳を、やっぱり俺は見ることが出来なかった。
「何でもねぇよ…。」
ぷいと向こうを向いてしまう俺に「やっぱり変なの。」と言う言葉が降ってきた。
一体誰のおかげだと思ってるんだ…。
「まぁ良いじゃないか。それじゃあいったんアルヴァニスタに帰るとするか。」
「うんそだね。」
クルッと向きを変え、一つ大きく伸びをする。
「あ〜ぁ、退屈だった。」
…それは…今までずっと退屈だった?一人になって退屈だった?それとも…。
アイツが居なくなったから退屈だった??
まるで何かに捕らえられたかの考えに、変と言われても仕方が無いとコッソリと一人ため息をついた。
気のせいか…なんだか頭が痛い。
アルヴァニスタにたどり着く頃には昼間真上に上っていた日もとっぷり暮れて俺たちはまず宿を探す事となった。
まあこの都では他に宿も無いのでもう決定したも同じなのだが。
「それにしてもアルヴァニスタinnって結構お世話になっているよね〜、あ!コレ美味しい!!」
食卓に並ぶ少し深めの皿をかちゃかちゃと言わせながらアーチェはフォークに刺さった野菜をパクついてた。
各自の器の中には、大きめに切られたキャベツやニンジン、ジャガイモ、それと嬉しくない事に俺の嫌いなタマネギのミニサイズ『ペコロス』とベーコンやソーセージが琥珀色のスープによって煮込まれ、美しく盛られていた。
今日の料理当番はミント、俺だったらタマネギなんか絶対に入れない。
俺の皿の中でその『ペコロス』は居場所を無くし、どんどん淵の方へと追いやられていっていた。
「でもさぁ、こんな料理のレシピって持ってなんかなかったよねぇ?」
「ええ、今日はユミルの森で美味しそうな野菜が一杯手に入ったので、昔私の家でよく作っていたポトフを作ってみたんですよ。」
アーチェの「美味しい!!」の一言と見る見るうちに皿から姿を消して行く野菜を見、ミントはにこりと笑顔を作る。
「へぇミントの家の味なんだ〜コレ。ねぇミントの家ってどんな所だったの?」
「そうですね…私の家は…。」
懐かしそうに目を閉じて、ミントは自分の家の事を思い出しているようだ。
「私の家は…そう、山の中であまり人の出入りはなかったですね。なのであまり街で買い物をしないかわりに行商人から種や苗を買って…家庭菜園とでも言えばいいんでしょうか、育てていました。なので出来た野菜を使って母と良くこの料理や…他にも色々ありますけれど、作ってましたね…。」
「へぇ〜じゃあ昔から花嫁修行はバッチリって訳だ。ミントをお嫁にもらう人はしあわせものだよ、ねー。」
まるで言い合わせていたかのようにその言葉とともに皆の視線がしみじみと?その料理を味わっている一人の男の方へと一斉に向けられる。
ニヤついた目とともに。
「な…なんだい、皆してこっち見て。」
「別に。」と、アーチェのその一言でまたパッと視線は元の場所へ散る。
「で。ミント、これすっごく美味しいんだけどやっぱり作り方って難しいの?」
「いいえ、コレはとっても簡単なんですよ、調理器具も特に使いませんし。野菜も好みの大きさに切ってコンソメスープで煮込むだけなので…あ、でもベーコンやソーセージからはだしが出るので少し大目のほうがいいと思いますよ?」
「あ、そうなんだ?じゃあこれでオーブンとか色々あったらある意味ミントは無敵かもだよね。というかそんな愛のこもった料理が食べられるのならこれは是非色々揃えようと思っちゃうんだろう、ねぇ〜ぇ。」
また皆の視線が一点に集まる。
「だ、だから皆して何が言いたいんだよ!!」
真っ赤になったその顔に集まった視線はやはり「別に。」の一言でパッと散った。
「さてと。じゃ、アタシはこれでご馳走様。クレス、そんなに味わって食べてると皆に残りまで食べられちゃうよ〜?」
さっきからずっと頬を染めるクレスとミントに視線をやると、アーチェはニシシと笑って席を立った。
「あ、アーチェさんはもういいんですか?」
「あー…うん。今日はまだ用事があるからね。んじゃお先でした。」
とてとてっと去ったアーチェの後姿、それよりも俺には引っかかった言葉が一つ。
『今日はまだ用事があるから…』
こめかみのあたりがまたズキリと痛んだ。
一体俺は何をやっているんだろう。
バカと言われても仕方ない、嫌な想像が頭をもたげて夕食からずっと頭痛がする。
それでも自分たちの部屋で寝ようとしないで、こんな所…宿の入り口が見えるロビーで「もしかしたら」を待ち構えているのは自分でもどうかしているとしか思えない。
それが取り越し苦労になる事を祈りながら。
さっきミント作のポトフをクレスが最後たいらげてから、時計の針はカチコチともう二周と半は走り続けていた。
窓の外を見ると薄暗くなっていた空がさらに影を帯びて、その上空ではこのモヤモヤする俺の気持ちを汲んでかなんだか月もおぼろに見える。
町を照らす明かりがそろそろ一つ二つと消えていく頃、嫌な想像がカタンと音を立ててやってきた。
「あ、チェスターじゃん。何やってんのこんな所で?」
自分でも何やってるんだと思えるくらいなのに。
「何だっていいじゃねえかよ。お前こそ…どっか…、行くのか?」
どうかそこではないように、そう願わずにはいられない。
しかし外はもう暗闇に包まれ、店という店はとうにみんな閉まっているだろう。
一体どこに行くというのだ、聞いておきながら、聞きたくない…。
「あー…アタシは…ちょっとね。」
あたり。
そのおもいきり言いにくそうに濁された言葉…それはむしろ、外れてほしかった予想が当たったと思って違いない。
嫌な考えが頭の中を駆け巡りどんどん痛みを増幅させてゆく。
全然そんな事気づかなかった、こんな夜中に会う仲までいかせてしまっていたなんて。
パーティのなかの男…クレスやクラースの旦那になびくような雰囲気は無かったので安心しきっていたのだろう。
こんなに近くにいながらも、俺はちっとも目に入っていなかったのか…。
…もう。
もう止められないのか。
割ってはいる隙はないのだろうか。
こんなセリフ…まだ何も言う事の出来ていない俺に言う資格なんか無いのはわかっている。
だけれども!!
だけれども…このままアーチェが他の男の腕に抱かれるのを黙って見ている事なんて耐えられなかった。
「やめとけよ!!」
やめとけよ、あんな男なんて!
細くつり上がり気味の瞳がさらに細さを増してランプの明かりに照らされる真紅を見据える。
あいつの唇が小さく動いたかと思うと、その一瞬で俺の心臓は引き千切られた。
「いいじゃん!別に!!」
血が溢れ出しているようだった。
「いいじゃん、別に!ただ単に本貸しに行くだけなんだから。別にそんなに夜遅くって訳じゃないし。ちゃんとすぐに帰って来るから迷惑はかかんないっしょ?」
さっきまでひどくショックを受けて働こうとしない耳に俺は思わず自分の耳を疑った。
「は…?本?」
「そうよ、ほらこれ。なんか文句ある?」
目の前にズイと出された本の表紙にはピンクや黄色やらで鮮やか…いやむしろキツイくらいに彩られた占いの…本?!
「うえっ?!いい年こいた男が占いの本!?」
あ…あの男が占いでもすんのか…たしかにひょろっとしているなとは思ったけれど…ここまでも?!!
そんな思いを聞いていたかのようなタイミングで言葉がかえってきた。
「違うわよバカ。あの人の娘さんに、よ。」
あ…ああそうか、そうだよな、いい年してそれはないもんな…って、え…?
「娘?!あいつ一人身じゃないのか?!」
度々のリアクションにアーチェは明らかに眉間にしわを作っていた、はあ?と言う声がすぐに聞こえてくる。
「なにそれ?一体誰からそんな事聞いたのよ。っていうかそれじゃあ変な人じゃんか。」
確かに。
「う〜んと、いくつだったかな…6,7歳だったかの娘さんがいるんだって。前に一回頼まれていたんだけどさ〜ホラ、アタシって忘れっぽいじゃん?だからこの間呼ばれるまでずっと忘れてたんだよね〜、いやぁまいったまいった!」
あははっと笑うこいつの話しを聞いていたらなんだかぼんやり思い出してきた…たしか、ようやくレアバードを手に入れてうかれた俺達はそこらへんを飛び回って…それこそユミルの森のあたりまで…。
そうか…だから顔も覚えているわけで…。
しかし…ああ、もうため息しか出ない。
「そうだよなぁ…いい年こいた男が占いの本なんざ貸してくれなんて、そりゃあ恥ずかしいよなぁ…。」
さっきまでの自分は一体なんだったのだろう…ため息とともに力が抜けて行くようで少し笑えてくる。
すべて取り越し苦労と言うわけだ…。
はぁ…。
「あ〜…とりあえず俺頭痛ぇから寝るわ…。」
カチャリとドアノブに手をやって、ふと思い出しアーチェに一言付け加える。
「それと…本渡しにいくのは…まぁ…明日にしとけや//」
パタンと閉められたドア、その場に残されたのはアーチェただ一人。
「…なんなのよ??一体…。」
呟いた言葉は木の壁と夜の闇へと吸い込まれて消えた…。
あとがき
どうも〜霧夕です。
いやぁ、ね、書き終わって自分的感想第一声が「…長っ!!」
自爆して123hitを踏んでしまったので何書こうかな〜と思ったんですが
ハタと気がつけば割とアーチェサイドが多いかな?
と言う事でチェスター視点で書いてみました。
自信家だよなぁと、始めの3行から膨らませたらこんな大きさに…ある種の満足です。
ただなにぶん自分は男ではないので男の気持ちとか良くわかんないのですよ。
ま、ひとそれぞれなんで比べようもないんでしょうが。
ヤキモチっていうか嫉妬にまでなってますが上手く書けてれば嬉しいです。
う〜ん…どうでしょうね?
それではこのような文を読んでくださってありがとうございました!!
こんなに長いのに…ホント感謝です!!では!
(2004・6・21UP)