カタンとたてる小さな音
僕の瞳に一杯に映る君の顔
にこっと笑いかけたり逆に変な顔をしてみたり
気のせいかな?
最近よく君を見るのは
この時だけは君はまっすぐに僕を見つめる
だから僕も君をいっぱい見れるのはとても嬉しいはずなんだ…
でも最近は今までと違う
ねえ?
僕に笑いかけるのはなんでなの?
ちょっとだけ頬を染めたり 慌てたり
髪なんかも丁寧に結っちゃって
今まで…この時は君を独占していたと思ってた
でもなんだか違うって思ったのはここ最近の話じゃない
僕に向けるこの笑顔 本当に向けたいのは僕じゃない
知ってたよ?
わかってた 人はそうやって大きくなるって事も
ちょっとふてくされた僕に君は
今日も変わらず笑顔を向ける
僕の為じゃない眩しい笑顔
…ちぇ

「おーい!アーチェ、置いてくぞ〜!!」
「わかったー!今行くからちょっと待って〜!!」
手に包まれる僕
閉じられた瞳
映った君は闇に消える
楽しい時間はおしまいだ

まったく… 仕方ないからコッソリだけど 僕は君を応援しよう
綺麗になっていく君を見れたら幸せだから
まぁ…ちょっとだけ癪に障るけど

 

 

 

 


あとがき
ども、霧夕です。
お題no.22『鏡』 雰囲気を変えてサクッとやってみましたがいかがでしたでしょうか。
いつもはけっこう長文が多いのでこんな感じなのもどうかと。
わかりにくいかと思いますがアーチェの持っている鏡から見た彼女というお話。
人ではない『物』の視線から書いてみたかったので。

ま、このような文を読んでいただきありがとうございました!
そして何かを期待した方すみません(笑)
(2004.7.30UP)